劉建輝
( りゅう・けんき )1961年、中国遼寧省生まれ。遼寧大学卒業後、神戸大学大学院博士課程修了。北京大学比較文学・比較文化研究所助教授を経て、現在、国際日本文化研究センター准教授。日中比較文学・文化専攻。著書に『帰朝者・荷風』(93年、明治書院)などがある。
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かつて東洋一の繁栄を誇り、モダンの代名詞となった都市、上海。本書ではその誕生から発展、絶頂期の爛熟、日本軍占領による「解体」にいたる歴史を、日本との関わりを中心に丹念に繙いていく。幕府使節が欧米諸国へ向かう経由地となり、谷崎潤一郎や芥川龍之介等の文学作品の舞台となり、やがて日本軍の大陸進出によって戦場となった上海。外?蛯ノ摩天楼が聳えたつ国際金融都市、茶館に娼婦やアヘン中毒者がたむろする退廃都市、租界を擁するコスモポリタン都市…。その刻々の貌に、日本人の憧れをかきたてつづけた魔力を探る。文庫化にあたり「魔都」のその後の軌跡を増補。
プロローグ 二つの「上海」
第1章 サムライたちの上海
第2章 東アジア情報ネットワークの誕生
第3章 日本の開国と上海
第4章 「ロマン」にかき立てられた明治人
第5章 魔都に耽溺した大正作家たち
第6章 「摩登都市」と昭和
エピローグ 上海からみた日本
補論 上海ビッグバン―魔都、その後
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