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ちくま学芸文庫

中井久夫コレクション 「思春期を考える」ことについて

「面白い」「笑わせる」子に 潜む出口のない悲哀

表題作の他「教育と精神衛生」などに加えて、豊かな視野と優れた洞察を物語る「サラリーマン労働」「病跡学と時代精神」などを収める。 【解説: 滝川一廣 】

定価

1,540

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09363-9

Cコード

0111

整理番号

-16-5

2011/09/07

判型

文庫判

ページ数

368

解説

内容紹介

人生にとって始まりは重要であり、その後の行路に無視できない影響を及ぼす。精神科医として、患者の治療を通して時代を眺めてきた著者は「高度成長は終わったが、そのバランスシートはまだ書かれていない。しかし、その中に損失として自然破壊とともに、青春期あるいは児童期の破壊を記してほしいものである。われわれは大量の緑とともに大量の青春を失ったといえなくもない」と指摘している。思春期の難しさを丁寧に描き出した作品を中心に、豊かな視野と透徹した洞察を物語る「サラリーマン労働」「病跡学と時代精神」「サリヴァンの統合失調症論

目次

1(思春期における精神病および類似状態
思春期患者とその治療者 ほか)
2(サラリーマン労働
「熟年」ということばについてのひとりごと ほか)
3(病跡学と時代精神―江戸時代を例として
病跡学の可能性 ほか)
4(サリヴァン Harry Stack Sullivan(一八九二‐一九四九年)
サリヴァンの統合失調症論 ほか)

著作者プロフィール

中井久夫

( なかい・ひさお )

1934年、奈良県生まれ。京都大学医学部卒業。現在は神戸大学名誉教授。著書として『精神科医がものを書くとき』『隣の病い』『世に棲む患者』『「つながり」の精神病理』『「思春期を考える」ことについて』(いずれも、ちくま学芸文庫)、『分裂病と人類』(東京大学出版会)、『精神科治療の覚書』『日本の医者』(いずれも日本評論社)、『西欧精神医学背景史』『災害がほんとうに襲った時』『復興の道なかばで』(いずれも、みすず書房)、『治療文化論』(岩波書店)、『こんなとき私はどうしてきたか』(医学書院)など多数。

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