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ちくま学芸文庫

沈黙の宗教

——儒教

位牌やお墓はなぜ大切か?

日本人の死生観の深層には生命の連続を重視する儒教がある。墓や位牌、祖先祭祀などの機能と構造や歴史を読み解き、儒教の現代性を明らかにする。

定価

1,595

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09365-3

Cコード

0114

整理番号

-28-1

2011/04/06

判型

文庫判

ページ数

384

解説

内容紹介

日本人の宗教や死生観について考えるとき、すぐに仏教が連想され、戦前はもちろん、戦後もしばらくは影響力を保っていた儒教などは、もはや消え去ったと思われている。しかし、実はそうではない。私たちの宗教感覚の深層には、生命の連続を重んじる儒教が伏流となって流れているのである。それは、たとえば仏教独自のものと思われているお墓や位牌、祖先を祀る儀礼などの中に見ることができる。儒教の道徳性と宗教性の関係、その構造や世界観の紹介と分析を通して、日本人と儒教の深い結びつきを解き明かす。

目次

第1章 儒教の深層―宗教性(霊があると信じますか―新宗教のポイント
魂は“この世”にいる―霊能者が見る霊 ほか)
第2章 儒教の構造(宗教性と道徳性と
儒教と現代と ほか)
第3章 儒教の表層―道徳性(天と地と人と―礼の発生
誰のために愛するか―別愛と博愛と ほか)
第4章 儒教の世界像(万物の中の人間
単位の成立 ほか)
第5章 儒教から見た現代(臓器提供はあるのか―脳死・臓器移植の将来
皇室の祈り―“生命の連続”の表現 ほか)

著作者プロフィール

加地伸行

( かじ・のぶゆき )

1936年生まれ。60年、京都大学文学部卒業。高野山大学、名古屋大学、大阪大学、同志社大学を経て、現在は大阪大学名誉教授、立命館大学フェロー。専攻は中国哲学史。文学博士。主な著書に『中国思想からみた日本思想史研究』(吉川弘文館)、『孝研究──儒教基礎論』『中国論理学史研究』(ともに研文出版)、『沈黙の宗教──儒教』(ちくま学芸文庫)、『儒教とは何か』『現代中国学』(ともに中公新書)、『「論語」再説』『「史記」再説』(ともに中公文庫)、『論語全訳注』『孝経全訳注』『漢文法基礎』(いずれも講談社学術文庫)、『孔子──時を越えて新しく』(集英社)などがある。

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