村井章介
( むらい・しょうすけ )1949年、大阪市生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東京大学史料編纂所を経て、現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。日本列島周辺の9-17世紀を、広い「地域史」や「世界史」の文脈のなかで読み替えようと試みている。主な著書に、『世界史のなかの戦国日本』『境界をまたぐ人びと』『東アジア往還――漢詩と外交』などがある。
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世界史の流れの中から日本列島を眺めると、意外な景色が浮かび上がってくる。群雄割拠の中から織田・豊臣を経て徳川安定政権を生んだ戦国時代。しかし15、16世紀の日本では、商業圏の拡大という別の覇権争いが始まっていた。サハリン・沿海州貿易を手中に収めようと画策する蛎崎氏、東南アジアにまで及ぶ西南海貿易で富を築いた琉球王国とその座を狙う島津氏、南蛮貿易のためにおたずね者まで取り込む松浦氏、当時の世界基軸通貨=銀貨をめぐり暗躍する倭人ネットワーク…。地域史をより広い視点で理解する「グローバル・ヒストリー」の先鞭をつ
第1章 一六世紀、または世界史の成立
第2章 蝦夷地と和人地
第3章 古琉球の終焉
第4章 ヨーロッパの登場とアジア海域世界
第5章 日本銀と倭人ネットワーク
第6章 統一権力登場の世界史的意味
付章 島津史料からみた泗川の戦い―大名領国の近世化にふれて
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