アーサー・O・ラヴジョイ
( らヴじょい,あーさー・O )1873-1962年。ベルリン生まれ。ハーヴァード大学でウィリアム・ジェイムズ、ジョサイア・ロイスらに学ぶ。アメリカ各地の大学で哲学の教鞭をとり、1910年から38年までジョンズ・ホプキンズ大学教授。1923年にはジョージ・ボアズらとともに「観念の歴史」クラブを主宰、学際的な学問分野である「観念史」を確立した。著書に『観念の歴史』(名古屋大学出版会)などがある。
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西洋人が無意識裡に抱き続けてきた「存在の大いなる連鎖」という観念。その痕跡をあらゆる学問分野に探り「観念史」研究を確立した名著。 【解説: 高山宏 】
1,980
円978-4-480-09536-7
0110
-10-1
2013/05/08
文庫判
656
頁至高の存在である神から、非存在すれすれの被造物へ。この宇宙はあらゆる階層の存在で充満した、連続する鎖の環である―。「存在の大いなる連鎖」とは、プラトンに淵源するこのような観念のことをいう。「充満」と「連続」という、この二つの原理がいわば無意識のうちに人々に作用し続け、西洋において一つの世界観を作ってきたのだった。古代ギリシャから18世紀におよぶ約2000年の観念の歴史を学際的方法で描き出し、学問分野としての「観念史」(history of ideas)の確立を宣言した記念碑的著作。
第1講 序論 観念の歴史の研究
第2講 ギリシャ哲学におけるその観念の創始―三つの原理
第3講 存在の連鎖と中世思想における内的対立
第4講 充満の原理と新しい宇宙観
第5講 ライプニッツとスピノーザにおける充満と充分理由について
第6講 十八世紀における存在の連鎖および自然における人間の地位と役割
第7講 充満の原理と十八世紀楽天主義
第8講 存在の連鎖と十八世紀生物学の或る側面
第9講 存在の連鎖の時間化
第10講 ローマン主義と充満の原理
第11講 歴史の結果とその教訓
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