山口昌男
( やまぐち・まさお )1931年生まれ。東京外国語大学名誉教授。2013年没。
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学問のあらゆる境界を侵犯し、知性の新たな解放を志向した“知のヘルメス”山口昌男。この独創的な人類学者=思想家がもっとも精力的に活動し鮮烈な輝きを放った1960~80年代の代表的論考を精選収録する。部族文化の“道化”や“文化英雄”の形象のなかに、硬直した西欧的知識人像を革新するイメージを発見し、自らの思想家としての主体性を宣言した「文化の中の知識人像」、“異形”なモノの隠蔽によって秩序を維持する“日常性”の根源を暴きつつ、放擲された文化の奪還をめざした「失われた世界の復権」など、豊饒な知の世界を一冊で総覧する全15篇。編者による各篇紹介と充実の解説を付す。
人類学的認識の諸前提―戦後日本人類学の思想状況
調査する者の眼―人類学批判の批判
文化の中の知識人像―人類学的考察
文化と狂気―ホモ・デリルス
失われた世界の復権
地揺れする辺境から―チモールからの手紙
のらくろはわれらの同時代人
周縁性の歴史学に向って
足から見た世界
神話システムとしての王権〔ほか〕
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