近藤和彦
( こんどう・かずひこ )1947年松山生まれ。東京大学文学部西洋史学卒業。名古屋大学助教授、東京大学大学院教授を経て、現在立正大学教授、東京大学名誉教授。専攻は、イギリス近世・近代史。著書に『文明の表象 英国』『イギリス史研究入門』(以上、山川出版社)『イギリス史10講』(岩波新書)などが、訳書にトムスンほか著『歴史家たち』(編訳、名古屋大学出版会)などがある。また、高等学校向け世界史教科書(山川出版社)の編集委員を長年務めている。
loading...
徹底的な史料の読み込みと、図像の分析で文化史研究に新たな地平を拓いたあの先駆的な名著に、図版を増補。本書では18世紀ころのイギリスで行われていた制裁の儀礼「女房売り」「シャリヴァリ」から食糧蜂起にいたる、いじめと騒ぎの歴史をひもとき、イギリス民衆の正義や秩序の意識を解読。さらにジェントルマンの日記やローカル新聞の記事、裁判記録などから、統治者といえども時代の作法・約束事にしたがわざるをえなかった事情を明らかにする。そうした観点からホーガースなどの風刺画を解析してみると―。当時のイギリスの街中を旅して、人々
第1章 異文化としての歴史(「女房売ります」
スキミントンに出くわす
制裁の儀礼と文化の歴史)
第2章 暦と十八世紀―名誉革命体制と反乱(日付けの象徴性と政治文化
ジョージ治世元年の群衆)
第3章 法の代執行―食糧一揆の世界(史料のレヴェル
一七五六?五七年の食糧一揆群
一揆のパターン
規律・法・正当性)
第4章 騒ぎとモラル―第二の世界の噴出(家父長的な統治と民衆
労働・コミュニティ・性)
第5章 ホーガースの黙劇―政治文化の表象(二つの文化の併存
権力と群衆)
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。