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ちくま学芸文庫

工場日記

うら若き哲学者は かくして女工となった

人間のありのままの姿を知り、愛し、そこで生きたい――女工となった哲学者が、極限の状況で自己犠牲と献身について考え抜き、克明に綴った、魂の記録。

定価

1,320

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09646-3

Cコード

0110

整理番号

-5-3

2014/11/10

判型

文庫判

ページ数

288

解説

内容紹介

新進のうら若き女性哲学教師が教職をなげうち、未熟練の女工として工場に飛び込んだのは、市井の人びとの疎外状況を身をもって知るため、というだけではなかった。「人間のありのままの姿を知り、ありのままを愛し、そのなかで生きたい」という純粋かつ本質的な欲求による、やむにやまれぬ選択であった。だが、現実には激しい労働と限りない疲労に苛まれ、心身は限界に達する。過酷な日々を克明に綴った日記は問いかける、人間性を壊敗させる必然性の機構のなかで、はたして人間本来の生は可能なのか―。これは極限の状況下でひとりの哲学者が自己犠

目次

工場日記
断片
アルベルチーヌ・テヴノン夫人にあてた手紙三通
ある女生徒への手紙
ボリス・スヴァリーヌへの手紙
Xへの手紙の断片

著作者プロフィール

シモーヌ・ヴェイユ

( ヴぇいゆ,しもーぬ )

1909-43年。フランスの実存的思想家。ユダヤ系医師の家に生まれ、高等師範学校卒業後、高等中学校の哲学教師となる。34年から1年間アルストム、ルノー等の工場で労働、『工場日記』を遺す。スペイン内戦では人民戦線側で戦う。38年ソレムの修道院で「キリストの受難」の思想を学ぶ。40年のパリ陥落後マルセイユでペラン神父らと親交。42年、アメリカに亡命するも、自由フランス政府で働くべくロンドンに渡り客死。著書に『根をもつこと』『重力と恩寵』『ヴェイユの哲学講義』などがある。

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