網野善彦
( あみの・よしひこ )1928─2004年。山梨県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。名古屋大学助教授、神奈川大学短期大学部教授、同大学特任教授を歴任。歴史家。専攻は日本中世史、日本海民史。著書:『蒙古襲来』『日本中世の非農業民と天皇』『無縁・公界・楽』『異形の王権』『日本社会の歴史(上・中・下)』『「日本」とは何か』『日本の歴史をよみなおす(全)』『日本中世都市の世界』他多数。
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近代国家の枠組みで考える歴史観を根底からくつがえし、列島に生きる人々の真の歴史を構築しようとした4人の歴史学者・民俗学者によるスリリングな討論。東アジア海域の地理や交流史を検討することで「日本」を構成する人々の多様性を描き出し、さらに、「日本」の中における地域ごとの伝承の違い、祀りの際の男女の役割の違い、ハレの日の食事の違い等を精査し、差別観の変遷を追うことで、この小さな列島に、出自の違う複数の文化があることを明らかにしていく。文献史料と民俗資料を融合させ、立体的な日本像を構築してみせた新しい歴史記述の嚆
1 歴史学と民俗学―その歴史と現在
2 地域史の視点―これまでの地域史・これからの地域史
3 国境をはずして考える日本史
4 異人―文化の内と外
5 男と女
6 老人と子供
7 衣食住と差別
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