ハンナ・アレント
( あれんと,はんな )1906─75年。アメリカの政治思想家。ドイツの同化ユダヤ人家庭に生まれる。ハイデガーとヤスパースに師事。1933年、ナチスの迫害を逃れてフランスへ、41年にはアメリカに亡命。20世紀の全体主義を生み出した人間の条件と対峙することを生涯の課題とした。著書に『全体主義の起原』『人間の条件』『イェルサレムのアイヒマン』など。
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1,870
円978-4-480-09745-3
0110
-7-4
2016/08/08
文庫判
560
頁「歯車理論」や「小物理論」の虚偽を突き、第三帝国下の殺戮における個人の責任を問う「独裁体制のもとでの個人の責任」、アウシュヴィッツ後の倫理を検討し、その道徳論を詳らかにする講義録「道徳のいくつかの問題」など、ハンナ・アレント後期の未刊行論文集。ユダヤ人である自らの体験を通して全体主義を分析し、20世紀の道徳思想の伝統がいかに破壊されたかをたどる。一方、人間の責任の意味と判断の能力について考察し、考える能力の喪失により生まれる“凡庸な悪”を明らかにする。判断の基準が失われた現代こそ、アレントを読むときだ。
プロローグ(ソニング賞受賞スピーチ) 一九七五年
第1部 責任(独裁体制のもとでの個人の責任 一九六四年
道徳哲学のいくつかの問題 一九六五‐六六年
アレントの『基本的な道徳命題』の異稿
集団責任 一九六八年
思考と道徳の問題―W.H.オーデンに捧げる 一九七一年)
第2部 判断(リトルロックについて考える 一九五九年
『神の代理人』―沈黙による罪? 一九六四年
裁かれるアウシュヴィッツ 一九六六年
身からでたさび 一九七五年)
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