龍膽寺雄
( りゅうたんじ・ゆう )1901ー1992年。千葉県に生れ、茨城県下妻市で育つ。慶応大学医学部中退。「放浪時代」が「改造」第一回懸賞創作一等に入選、のち新興芸術派クラブを結成し、その中心的メンバーとして活躍する。1943年、『鳳輦京に還る――建武中興秘史 大塔宮と村上義光をめぐって――』が第18回直木賞候補となった。著書:『アパートの女たちと僕と』、『M・子への遺書』、『魔子』、『下妻の追憶』、『原色シャボテン多肉植物大図鑑 』(全3巻)、『龍胆寺雄全集』(全12巻)他多数。
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「シャボテンは、―この不思議な植物は、それが生えていた砂漠の、人煙絶えたはるかかなたの世界の孤独を、一本々々影ひいて持って来ている。雲もなく晴れて刳れた空の下の、ただ焼け石と砂ばかりの世界に、淋しく乾いた音をたてて風が吹き抜けている」作家・龍膽寺雄は小説執筆の傍らシャボテン栽培に打込み、世界的な研究者となった。多くの入門書、専門書、写真集を刊行したが、中でも本書はシャボテンへの偏愛が横溢した随想集で、彼の説く「荒涼の美学」、「寂寥の哲学」はいまだ多くの愛好家を惹きつけてやまない。
荒涼の美学(生きた心臓を捧げる 古代アステカの神饌
世界で一番珍奇な植物
大自然の建築設計
砂漠の救世主
『死の谷』『悪魔の花園』の同伴者
砂漠が生んだ近代造型
植物のいろごと遊び
アンデスの孤独
怪奇な生態
感情を動かす植物(?))
詩篇
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