ちくま学芸文庫
改稿 日本文法の話〔第三版〕
阪倉篤義
著
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法然が登場する以前、仏教は驚くことに、一部のエリートのためだけに存在する宗教だった。漢文で書かれた難解な経典が読めること、日常生活を気にせず修行に打ち込めること、が条件だったからだ。しかし実際に苦しみ、救済を必要としたのは、文字も読めない市井の人びとに他ならない。そこで法然は、誰でも、いつでも、どこでも実践可能な「念仏」を柱とする浄土宗を打ち立てた。この『一百四十五箇条問答』は、法然の教えに惹かれながらも、従来の仏教との違いに戸惑ったり、生活を改めなければならないのかと不安に思った人びとの145の疑問に、
古き堂塔を、供養し候べきか
開眼と供養とは一つ事にて候か
『真如観』はし候べき事にて候か
これは理観とて叶わぬ事にて候
七仏の名号にて、罪は失せ候べきか
師の事は疎かならず候
心よく直り候わずとも、念仏ばかりにて浄土へは参り候べきか
陀羅尼は潅頂の僧に受け候べきか
仏の母を念ずべしと申し候は
赤子の不浄苦しからず〔ほか〕
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