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ちくま学芸文庫

草莽論

——その精神史的自己検証

草莽、それは野にありながら危急の時に大義に立つ壮士である。江戸後期から維新前夜、奔星のように閃いた彼らの生き様を鮮烈に描く。解説 桶谷秀昭

定価

1,320

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09846-7

Cコード

0112

整理番号

-9-1

2018/02/06

判型

文庫判

ページ数

336

解説

内容紹介

明治維新を語るうえで外せない「草莽」。吉田松陰の「草莽崛起(そうもうくっき)」という言葉で知られる通り、それは、野にありながら天下危急のときにおのれを顧みず、大道に立つ壮士たちをさす。孟子に由来するこの言葉は、江戸時代後期に特異な思想的背景を孕むようになり、維新前夜、つかの間の煌めきを放った。その精神を鮮烈な筆致で描き出したのが、二・二六事件の先駆的再評価などで名高い評論家・小説家・歌人、村上一郎である。蒲生君平、高山彦九郎といった「草莽の処士」のさきがけから、頼山陽ら文化・文政の文人、水戸学、そして松陰

目次

第1の章 草莽とはなにか
第2の章 預言者の出現―蒲生君平と高山彦九郎
第3の章 在野文人の自立と進取の人びと―文化・文政の時代から
第4の章 水戸学の人びと―藤田一門と会沢正志斎を中心に
第5の章 吉田松陰―恐れ乍ら天朝もいらぬ
第6の章 松陰以降―コノこまり物

著作者プロフィール

村上一郎

( むらかみ・いちろう )

1920年(大正9)年、東京に生まれる。評論家・小説家・歌人。東京商科大学卒業後、海軍に入隊。主計大尉として敗戦をむかえる。戦後、「日本評論」の編集者になるが、レッドパージに遭い、文筆活動に専念。1964年には個人誌の「無名鬼」を創刊。1975年、自刃。おもな著書に『東国の人びと』『幕末 非命の維新者』『北一輝論』などが、著作集に「」村上一郎著作集」(未完)がある。

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