中岡成文
( なかおか・なりふみ )1950年生まれ。京都大学大学院文学研究科単位取得退学。大阪大学大学院文学研究科教授を経て、現在、一般社団法人哲学相談おんころ代表理事。主著に、『試練と成熟――自己変容の哲学』(大阪大学出版会、2012年)『私と出会うための西田幾多郎』(1999年)『パラドックスの扉』(岩波書店、双書哲学塾、2007年)『臨床的理性批判』(岩波書店、双書現代の哲学、2001年)などがある。
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人間には暴力・抑圧に支配されず対話を交わし、相互理解に到達する理性の力が与えられている。宗教や因習など非理性的な力を脱した近代社会において、民主的な原理はようやく一人立ちしたが、同時に支配のシステムは強大に、そこから生じる人間疎外も強固になり、コミュニケーション的理性の可能性は十分には実現できなかった。異なる利害を持った人間が意思を疎通し、行為を調整しあうにはどうしたら良いのか。あくまでも人間のコミュニケーションへの信頼を保とうとするハーバーマス。その全貌をとらえた一冊。
プロローグ コミュニケーション的理性への信頼
第1章 批判的社会理論への旅立ち
第2章 制度と言語―イデオロギー批判への取り組み
第3章 システムと生活世界
第4章 近代合理主義と人間のコミュニケーション
第5章 ポストモダン思想との対決
第6章 多元的社会における法と道徳
エピローグ 政治的実践の中で
終章 対話は世界を変えられるのか―その後のハーバーマス
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