喜安朗
( きやす・あきら )1931年東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。日本女子大学名誉教授。専門は、フランス近代史、都市社会史、民衆運動史。主な著書:『パリの聖月曜日』(岩波現代文庫)。『近代フランス民衆の〈個と共同性〉』(平凡社)、『パリ――都市統治の近代』(岩波新書)、『民衆騒乱の歴史人類学』(せりか書房)。
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18、19世紀のロンドンは、「世界経済のメトロポリス」であると同時に巨大なスラムが存在する「世界の吹溜り」でもあった。また、カフェやレストラン、劇場といった華やかな文化を生み出したパリの都市空間は、二月革命に代表される民衆騒乱の舞台にもなった。人はなぜ都市に集まり、どのように大都会の生活様式が生まれたのか、この根本的な問いをめぐって、イギリス近世・近代史、フランス社会運動史をそれぞれ専門とする碩学が重層的な連関のなかに考察する。ふたつのアプローチ、すなわち経済生活と民衆運動、その違いがそのまま「二都」の性
世界にひらく窓―帝国の首都ロンドンの生活文化(ミンチン横丁の賑わい ジェントルマン文化と「舶来品」
コーヒーハウスの時代「商業革命」と都市型文化の成立 ほか)
「世界の工場」の玄関口―工業化とロンドン民衆の生活(ディケンズと工業化 なぜ「ロンドン」なのか
イースト・エンド・スラムの成立 ほか)
盛り場のロンドン(増補)(「盛り場」とは何か
シェイクスピアの時代の盛り場 ほか)
盛り場の形成―パリのブルヴァールに集まる人びと(ブルヴァールにおける出来事
盛り場の移動 ほか)
民衆騒乱の舞台―路上の権利(カーニヴァルと民衆蜂起
抑圧の解体―ブルヴァールの「祝祭」 ほか)
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