高橋敏
( たかはし・さとし )1940年静岡県生まれ。東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了。群馬大学教育学部教授、国立歴史民俗博物館教授、総合研究大学院大学教授を歴任。文学博士。専門は近世教育・社会史、アウトロー研究。著書:『日本民衆教育史研究』(未来社)、『国定忠治の時代』(ちくま文庫)、『江戸の教育力』(ちくま新書)、『江戸の訴訟』『清水次郎長』『一茶の相続争い』(岩波新書)、『清水次郎長と幕末維新』(岩波書店)、『幕末狂乱』(朝日選書)他多数。
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黒船来航後の動乱期、それまで歴史の裏に潜んでいたアウトローたちが表に躍り出てくる。なぜか?博徒・侠客としてひと括りにされる彼らアウトローは、錦絵や講談・浪曲、大衆小説等で縦横無尽の活躍を演じていたが、それは虚実入り混じっての密着固結したイメージで、実像とはとても言い難い。著者は虚像を覆う危うい皮膜を一枚一枚剥ぎながら、島抜けをした甲州博徒の巨魁・竹居安五郎やおなじみの国定忠治、黒駒勝蔵、勢力富五郎らの実像に一歩一歩迫る。歴史学の手法にのっとって幕末維新史に博徒を位置づけ直した、記念碑的労作。
第1章 黒船と博徒竹居安五郎―嘉永六年六月八日夜(竹居安五郎新島を抜ける
流刑の島新島 ほか)
第2章 博徒の家と村―博徒はいかに生まれしか(甲州八代郡竹居村
水論と山論の村―外に向かう竹居村 ほか)
第3章 嘉永水滸伝(水滸伝の近世
勢力富五郎関東取締出役を翻弄す ほか)
第4章 博徒の明治維新―黒駒勝蔵と水野弥三郎(竹居安五郎の復活と謀殺
草莽の博徒黒駒勝蔵 ほか)
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