岡本隆司
( おかもと・たかし )1965年生まれ。現在、京都府立大学文学部准教授。『近代中国と海関』『属国と自主のあいだ』(いずれも名古屋大学出版会、前者で大平正芳記念賞、後者でサントリー学芸賞を受賞)、『世界史のなかの日清韓関係史』『中国「反日」の源流』(いずれも講談社メチエ選書)、『李鴻章』(岩波新書)、『ラザフォード・オルコック』(ウェッジ選書)などがある。
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「愛国」が「反日」と結びつく不可解な国・中国。この構造は近世史・近代史の過程で形づくられた。1919年、北京の学生運動を皮切りに広がった五四運動は、現代に続くその出発点である。満洲事変をへて日中戦争へ向かうなかで、反日運動は「抗日戦争」と名を変えて最高潮に達した。本書は、日本・中国の近世史・近代史を政治・外交・経済・社会・思想にわたる全体史として描きだすことで、「反日」の原風景を復元し、ナショナリズムの核心にある「反日」感情の構造を解き明かす。古代から現代までの日中関係を俯瞰する論考を増補した決定版。
第1部 「近世」の日本と中国(東アジアの一八世紀
統治のしくみ
明から清へ
マクロな動向)
第2部 「近代」の幕開け(一九世紀をむかえて
西洋近代との邂逅
開港と開国
動乱の時代)
第3部 近代日中の相剋(近代日清関係の始動
日清対立の深化
「洋務」の時代
愛国反日の出発)
補論 日中関係を考える―歴史からのアプローチ
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