鈴木宏昭
( すずき・ひろあき )1958年生まれ。東京大学大学院単位取得退学。博士(教育学)。東京工業大学助手、エジンバラ大学客員研究員を経て、現在、青山学院大学教授。日本認知科学会フェロー。認知科学が研究領域であり、特に思考、学習における創発過程の研究を行っている。著書に『教養としての認知科学』(東京大学出版会)『認知バイアスーー心に潜むふしぎな働き』(講談社ブルーバックス)『類似と思考 改訂版』(ちくま学芸文庫)がある。
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判断は類推に支えられる。心はどのようなメカニズムを持つのか。“われわれの認知活動を支えるのは、規則やルールではなく、類似を用いた思考=類推である”。本書は、この一見常識に反する主張を展開したものだ。類推とは、既知の事柄を未知の事柄へ当てはめてみることと考えられている。だが、それだけでは実態に届かない。その二項を包摂するもうひとつの項との関係の中で動的に捉えなければならない。ここに、人間の心理現象に即した新しい理論が提唱される《準抽象化理論》。知識の獲得や発見、仮説の生成、物事の再吟味にも大きな力を発揮する
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