桜井徳太郎
( さくらい・とくたろう )1917年、新潟県生まれ。東京文理科大学文学部史学科卒業。東京教育大学教授、駒澤大学教授、同学長、日本民俗学会会長などを務める。柳田国男に師事し、民間信仰やシャマニズム研究の分野で、多くの業績を残した。著書に『日本民間信仰論』『沖縄のシャマニズム』『日本のシャマニズム』『神仏交渉史研究』『結衆の原点』『私説 柳田國男』などがある。2007年に逝去。
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河童・濡れ女子のごとき魔物、疫病をつかさどるハヤリ神、人に憑く姿の見えない妖怪ノツゴ、門松・松飾りを焼く正月行事や初田植・穂掛け祝いのような農耕年中行事など―日本の民衆生活に沈殿している信仰の数々。その正体は何なのか、どのような構造で意識の底に堆積しているのか。本書は、柳田國男門下の宗教民俗学者が、日本人の宗教生活に分け入った明快な書である。高度成長期以前の暮らしのなかに多彩な怪異と信仰が蠢いている姿を活写し、日本人の精神的伝統へと踏み込んで、長く読み継がれてきた一冊。
序説 民間信仰の性格(民間信仰と宗教
民間信仰の領域
民俗信仰の基底
民間信仰の特色)
1 民間信仰の伝承態(タタリガミ(祟り神)伝承
憑きもの伝承
妖怪伝承
憑き神信仰)
2 地域社会の祭祀と信仰―民間信仰の基盤(神社祭祀と民間祭祀―神社と民間信仰
物忌みと潔斎
屋敷祭と荒神祓)
3 村落寺院の信仰的機能―仏教と民間信仰(民間の神仏関係
村落における寺院の機能
仏教行事と民間信仰)
4 民間信仰伝承の成立と展開(ノツゴ伝承成立考―民間信仰の歴史・民俗学的考察
陰膳習俗源流考
外来信仰の受容と民間習俗の変容)
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