泉鏡花
( いずみ・きょうか )1873-1939。本名鏡太郎。別名畠芋之助。金沢の生まれ。父は名人気質の彫金師。9歳のとき母を失う。明治24年、尾崎紅葉の門に入り「夜行巡査」「外科室」で認められる。ついで「照葉狂言」「草迷宮」「歌行燈」「婦系図」など。大正から昭和にかけて自然主義やプロレタリア文学がおこるなかに文壇とは遠いところで、幻想と怪異をもち、独特の文体美に支えられた偏奇性の強い文学を書きつづけた。
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時は明治の末。開化思想への反発と泰西心霊学の影響下に高まりゆく「怪談復興」の大波は、文壇画壇へと波及し、名だたる文人墨客を集めた百物語怪談会が、幾度となく開催されていた。本書に収録した「怪談会」は、そうした集いの熱気と霊気を如実に伝える、史上初の文豪怪談実話ドキュメンタリーである。続篇ともいうべき「怪談百物語」を併録。怪談ファン垂涎の稀覯書、待望の完全復刻が実現。
怪談会(二面の箏/雪の透く袖/狸問答(鈴木鼓村)
白い蝶(岡田三郎助)
赤剥の顔/椽の下の信女(岡田八千代)
頭上の響/鬼無菊/闥の響/千ヶ寺詣(北村四海)
女の膝/因果/今戸狐(小山内薫) ほか)
怪談百物語(己が命の早使(柳田國男)
夜釣の怪(池田輝方)
「ああしんど」(池田蕉園)
□本居士(本田親二)
流潅頂(磯萍水) ほか)
巻末附録 不思議譚(黄雲生)
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