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ちくま文庫

春画のからくり

女も男も濡れ勃ち、笑う

春画では、女性の裸だけが描かれることはなく、男女の絡みが描かれる。男女が共に楽しんだであろう性表現に凝らされた趣向とは。図版多数。

定価

704

(10%税込)
ISBN

978-4-480-42589-8

Cコード

0121

整理番号

-58-1

2009/04/08

判型

文庫判

ページ数

256

解説

内容紹介

春画では、女性の裸体だけが描かれることはなく、男女の絡みが描かれる。男性のための女性ヌードではなく、男女が共にそそられ、時に笑いながら楽しむものだったと考えられる。また、性交場面を際立たせるために、顔と性器以外は、衣装で隠された。「隠す・見せる」「覗き」等の視点から、江戸のエロティシズムの仕掛けが明らかになる。図版豊富。

目次

いけないヌードから正しい春画へ
江戸はトランス・ジェンダー
春画の隠す・見せる(初期の浮世絵春画
「隠す・見せる」の深化
春信の色彩感覚と物語性 ほか)
春画における覗き(初期浮世絵の覗き
豆男と覗き―鈴木春信
湖龍斎と春章 ほか)
エロティックな布(春画の中の布
『源氏物語』の中の織物
中世文学のテクスタイル―『平家物語』『太平記』 ほか)

著作者プロフィール

田中優子

( たなか・ゆうこ )

1952年神奈川県横浜市生まれ。1980年法政大学大学院博士課程(日本文学専攻)修了。法政大学社会学部教授(近世文学)。2014年4月から法政大学総長。『江戸百夢』(朝日新聞社、ちくま文庫)で芸術選奨文部科学大臣賞、サントリー学芸賞受賞。2005年紫綬褒章受章。著書に、『江戸の想像力』(ちくま学芸文庫、芸術選奨文部大臣新人賞受賞)、『春画のからくり』『きもの草子』『張形と江戸女』(ちくま文庫)、『未来のための江戸学』(小学館101新書)、『グローバリゼーションの中の江戸』(岩波ジュニア新書)、『鄙への想い』(写真・石山貴美子、清流出版)など。

この本への感想

粋・野暮・見立て…などの定型キーワードでなく、テクスタイルという視点に立つと、文学や春画の世界史的な位置づけができるようだ。一枚の春画から背景文化の豊饒さを読み解くには、これから相当の修練が必要になりそうだが、この本が助けてくれるだろう。約80の図版が魅力(カバーは歌麿春画の傑作)。

さん
update: 2009/04/21

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