湯川豊
( ゆかわ・ゆたか )1938年生まれ。64年、慶應義塾大学文学部を経て、文藝春秋に入社する。『文學界』編集長、同社取締役などを経て退任。2003年4月から、東海大学教授、京都造形芸術大学教授を歴任する。著書に『須賀敦子を読む』(新潮文庫、読売文学賞)、『イワナの夏』(ちくま文庫)、『植村直己・夢の軌跡』(文藝春秋)、『ヤマメの魔法』(筑摩書房)などがある。
loading...
本は「人類の知的活動の痕跡」であり、読書はそれを通して様々な世界に参入し、時間と空間を自在に往還する精神の運動である。著者は出版社に在社当時から、人はなぜ本を読むのかを考え続け、本の世界と徹底的に付き合ってきた。現在は全国紙の書評委員を務め、著者・編集者・読者を結びつける「本の共同体」をめざす書評は高く評価されている。その書評と読書論のエッセンスをまとめる。
1 私の読書論(夜の読書
書評の藝の見本帖―『快楽としての読書「日本篇」』(丸谷才一)解説)
2 書評を蒐めて(多彩な文章に仕掛けられた最後の花火―丸谷才一『別れの挨拶』
静寂の中に“生の元型”をたどる恋愛小説―松家仁之『沈むフランシス』 ほか)
3 本に寄せて(緑の光線
井筒「伝説」に魅せられて ほか)
4 三冊の本による肖像画(大岡昇平
中村光夫 ほか)
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。