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ちくま文庫

片山廣子随筆集 ともしい日の記念

つれづれから掬い上げた慎ましい日常の中にこそ揺るぎない生の本質が潜んでいる、とその人は知っていた。美しくゆかしい作品を集めた一冊。

定価

990

(10%税込)
ISBN

978-4-480-43935-2

Cコード

0195

整理番号

-88-1

2024/02/08

判型

文庫判

ページ数

336

解説

内容紹介

風変わりで、ゆかしく、愉しく、美しい
単行本未収録2編を加えた文庫オリジナル
虹色の宝石のような一冊

その人は言った、「まづしい日々に、何かの希望をもち、そして失望し、また希望し工夫をし、溜息をし、それを繰り返して生きることは愉しい」と。三月は雨のなかの微笑、六月は 荘厳、十月は 溜息……美を夢み、暮らしに潜む、揺るぎない生の本質を掬い、織り上げた、風変わりでゆかしく、清澄な片山廣子の世界。アンソロジーの名手により蘇る、単行本未収録の 2 作品を加えた珠玉のオリジナル作品集。

目次

或る国のこよみ
一月 霊はまだ目がさめぬ
二月 虹を織る
三月 雨のなかに微笑する
四月 白と緑の衣を着る
五月 世界の青春
六月 壮厳
七月 二つの世界にゐる
八月 色彩
九月 美を夢みる
十月 溜息する
十一月 おとろへる
十二月 眠る

著作者プロフィール

片山廣子

( かたやま・ひろこ )

片山 廣子(かたやま・ひろこ):1878~1957年。東京生まれ。歌人、随筆家、翻訳家。東洋英和女学校卒業、佐佐木信綱に師事し歌人として活躍、歌集『翡翆』『野に住みて』を出版。松村みね子の筆名で、シング、イエーツなどのアイルランド文学の翻訳を手がけ、坪内逍遥、森鴎外らに高く評価された。1953年刊の随筆集『燈火節』(暮しの手帖社刊)は第3回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。芥川龍之介の思い人としても知られ、『或阿呆の一生』に登場する。

早川茉莉

( はやかわ・まり )

早川 茉莉(はやかわ・まり):編集者。『すみれノオト』発行人。「すみれ図書室」主催。アンソロジストとしても活躍し、ファンも多い。編著に森茉莉作品集『貧乏サヴァラン』『紅茶と薔薇の日々』『贅沢貧乏のお洒落帖』『幸福はただ私の部屋の中だけに』のほか、『なんたってドーナツ』『玉子ふわふわ』『素湯のような話』『矢川澄子アンソロジー 妹たちへ』『片山廣子随筆集 ともしい日の記念』『スプーンはスープの夢をみる』など。著書に『森茉莉かぶれ』『修道院のお菓子と手仕事』(共著)『京都で寺カフェ』など。

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