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ちくま文庫

目的をもたない意志 増補版

——山川方夫エッセイ・コレクション

山川方夫の思考のエッセンスを味わうことができる、唯一のエッセイ集。

大江健三郎、アントニオーニ、若尾文子、東京、戦争、恋愛論……夭折の天才作家、唯一のエッセイ集。妻・山川みどりの回想などを増補。

定価

1,100

(10%税込)
ISBN

978-4-480-44020-4

Cコード

0195

整理番号

-61-3

2025/04/10

判型

文庫判

ページ数

320

解説

内容紹介

「私はいまはっきりと『文学』の価値を信じている。『文学』は、おそらく、人間の尊厳の補償である」(「灰皿になれないということ」)
「一人きりの人間は、じつは『人間』ではない。人間を『人間』にする最小の単位は一人ではなく、二人である」(「正常という名の一つの狂気」)

「『文学』は私にとり、まず私の存在のしかたであり、態度なのだ」。大江健三郎、サルトル、石原慎太郎、若尾文子、日劇、『去年マリエンバートで』、『キングコング対ゴジラ』……文学はもちろん映画や自由、恋愛まで作家がクールな文体で語るエッセイ集。新たな7篇のほか、妻・山川みどりによる作家との出会いや夫婦の生活をめぐるエッセイ4篇を増補した決定版。

目次

第一章 灰皿になれないということ
灰皿になれないということ
〝自由〟のイメージ 
永井龍男氏の「一個」 ―― 〈作家論の試み〉 
サルトルとの出逢い 
早春の記憶 ―― グレアム・グリーンをめぐって 
大江健三郎『われらの時代』 
高橋和巳『悲の器』 
村松剛『文学と詩精神』 
獅子文六『町ッ子』 
可笑しい奴 ―― 西島大君のこと 
江藤淳氏について 
中原弓彦氏について 
『遠来の客たち』の頃 ―― 曾野綾子氏について 
石原慎太郎氏について 

第二章 わが町・東京 
わが町・東京 
神話 
「日々の死」の銀座 
正常という名の一つの狂気 ―― 「りゅうれんじん」〈仮題〉の原作者として
恋愛について
日劇 ―― 都会化のシンボル
麻美子と恵子と桐子の青春
海を見る
山を見る――ある心象風景として
「ザ・タリスマン」白書
半年の後……
わがままな由来 ―― ペンネーム誕生記 
あの頃 
一通行者の感慨 
私の良妻論 

第三章 目的をもたない意志 ―― 映画をめぐる断章
増村保造氏の個性とエロティシズム ―― 主に『妻は告白する』をめぐって
映画批評家への公開状
目的をもたない意志 ―― マルグリット・デュラスの個性
『情事』の観念性
中途半端な絶望 ―― アントニオーニの新作をめぐって
『二十歳の恋』
『去年マリエンバートで』への一つの疑問
『かくも長き不在』
『シルヴィ』の幻
『肉体市場』
『恋や恋なすな恋』
『オルフェの遺言』
『キングコング対ゴジラ』

付録 『山川方夫全集』月報より  山川みどり
なにもかも忽然と
最初で最後の夏
ようこそ、はるばる二宮へ
三十三年目の二宮

批評家・エッセイストとしての山川方夫 高崎俊夫
ちくま文庫版のための編者あとがき 高崎俊夫

著作者プロフィール

山川方夫

( やまかわ・まさお )

山川 方夫(やまかわ・まさお):1930年、東京生まれ。慶應義塾大学大学院中退後、第3次「三田文学」編集長として、江藤淳、坂上弘、曾野綾子をデビューさせるかたわら、自らも創作を発表する。「日々の死」で注目を集め、1958年に商業誌に進出。「演技の果て」「海の告発」など5作が芥川賞、「クリスマスの贈物」が直木賞の候補となる。65年、交通事故にて逝去。著書に『箱の中のあなた』『長くて短い一年』(ちくま文庫)、『親しい友人たち』(創元推理文庫)、『夏の葬列』『安南の王子』(集英社文庫)などがある。

高崎俊夫

( たかさき・としお )

高崎 俊夫(たかさき・としお):1954年福島県生まれ。「スターログ日本版」「月刊イメージフォーラム」「一枚の繪」「AVストア」編集部等を経て、フリーランスの編集者・映画評論家。編集した書籍に『ものみな映画で終わる ―― 花田清輝映画論集』(清流出版)、『テレビの青春』(今野勉著・NTT出版)、『ニセ札つかいの手記 ―― 武田泰淳異色短篇集』(中公文庫)、『親しい友人たち ―― 山川方夫ミステリ傑作選』(創元推理文庫)、『むしろ幻想が明快なのである ―― 虫明亜呂無レトロスペクティブ』(ちくま文庫)ほか多数。著書に『祝祭の日々 ―― 私の映画アトランダム』(国書刊行会)がある。

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