野口裕二
( のぐち・ゆうじ )野口 裕二(のぐち・ゆうじ):1955年千葉県生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。東京学芸大学名誉教授。専門は臨床社会学、医療社会学。著書に『物語としてのケア──ナラティヴ・アプローチの世界へ』(医学書院)、『ナラティヴの臨床社会学』(勁草書房)、『ナラティヴと共同性──自助グループ・当事者研究・オープンダイアローグ』(青土社)などがある。
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ひとはなぜアルコホリズム(アルコール依存)に陥るのだろうか。原因を「意志の弱さ」に求めていては何も解決しない。自分の意志ではどうにもできないと認めることが回復への第一歩となるのだ。そこから見えてくるのは、「自らの意志で欲求をコントロールする主体」という、近代社会の理想的人間像である。アディクション(依存症)とは、そうした近代的あり方の綻びが露呈したものに他ならない。だとすれば、回復への道は近代合理主義が切り捨ててきたものの中にこそ見出し得る──。ベイトソンやギデンズの思想に依拠しつつ、アディクションを社会学的に解明した先駆的名著。
序 章 アルコホリズムへの社会学的接近
第1章 アルコホリズムとスティグマ
第2章 アルコホリズムの医療化
第3章 家族療法としての断酒会とAA
第4章 セルフヘルプ・グループの機能
第5章 セルフヘルプ・グループの原点:AA
第6章 集団精神療法
第7章 集団精神療法の微視社会学
第8章 地域ケアとネットワーク・セラピー
第9章 共依存の社会学
第10章 アディクションと近代
補論1 アディクションの社会学
補論2 オープンダイアローグとアディクション
補論3 AAとスピリチュアリティ
初出一覧
あとがき
文庫版あとがき
解説(信田さよ子)
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