山口昌男
( やまぐち・まさお )1931年生まれ。東京外国語大学名誉教授。2013年没。
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神話の次元によらねば回復しえない人間精神の内的宇宙にたいする本質的な探求心が山口の人類学の根幹にはあった。この、始原を「いま」に召喚しつづける想像力の原型が、近代科学の認識論における時間軸上に展開する「歴史」意識といかに切り結ぶかを考える作業に、山口の仕事の一つの大きな部分が費やされた。それは、過剰に「歴史化」された言説の倫理主義的性向が、思考の闊達な膂力に制動をかけているいまこそ、再読されねばならない。この巻には、始原と現在をアクチュアルに結ぶ、歴史への詩学的アプローチをめざす傑作論考を収録する。
歴史・祝祭・神話(鎮魂と犠牲
革命のアルケオロジー)
失われた世界の復権
歴史と身体的記憶
ミシュレあるいは歴史の宴
オクタビオ・パスと歴史の詩学
周縁性の歴史学に向って
足から見た世界
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