佐藤幹夫
( さとう・みきお )1953年秋田県生まれ。フリージャーナリスト。批評誌『飢餓陣営』主宰。自立支援センター「ふるさとの会」相談室顧問。主な著書に『ルポ 高齢者医療――地域で支えるために』『ルポ 認知症ケア最前線』(以上、岩波新書)、『十七歳の自閉症裁判――寝屋川事件の遺したもの』(岩波現代文庫)、『自閉症裁判 レッサーパンダ帽男の「罪と罰」』(朝日文庫)などがある。
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ブント書記長として六〇年保安で一敗地にまみれた島成郎が、次に向かったのは沖縄だった。一精神科医として政治を封印し、逆境の中で地域精神医療を一心に粘り強く担った島成郎。それはまさに“敵”の本丸に向かって攻め込む闘いの人生そのものだった。霧に閉ざされていた彼の後半生、もうひとつの闘いを、圧倒的な取材をもとに描く書下ろし評伝。
プロローグ 島成郎の沖縄入域、これを拒否する
第1部 沖縄へ向かうこころ(「医」の初心“歌のわかれ”
沖縄、ヴ・ナロード(心病む人びとのなかへ)
玉木病院と「Open door policy」)
第2部 一九六〇年日米安保闘争とその後(喘息と戦争と敗戦の光景
ブント(共産主義者同盟)創設まで
六〇年安保闘争の始まりと終わり
漂流、復学、そして医師になる)
第3部 治療共同体へ(島成郎の治療論と「久米島でのひとつの試み」
北の風土と医師たちの治療共同体
沖縄再会―“やんばる”に全開放病院を)
エピローグ 島成郎、沖縄に死す
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