松浦寿輝
( まつうら・ひさき )1954年、東京生まれ。1980年、東京大学大学院仏語仏文学専攻修士課程修了。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授(表象文化論)。詩人、作家、映画評論家でもある。2000年、『花腐し』(講談社)で第123回芥川賞受賞。著書に『表象と倒錯』『エッフェル塔試論』『ゴダール』『Y・死・閾』『映画1+1』(筑摩書房)、『半島』(文藝春秋)、『物質と記憶』(思潮社)、『官能の哲学』(岩波書店)、『冬の本』(青土社)など。
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1889年のパリ万国博に際して建造されて一世紀余―「近代」と「表象」とをめぐるさまざまな問題を集約的に体現した特権的な記号として虚空に屹立する「塔」を、透徹した論理と輝かしくも華麗なエクリチュールで徹底的に読み解く記念碑的力作。
「無用性」の美学のために
「石」と「鋼」のはざまで
スーラ、コクトー、ル・コルビュジエ
虚空への上昇
技師と曲線
イメージ帝国主義の黎明
「怪物的ヤンキー」対「けちなギリシャ人」
「鉄」から「空気」へ
模型とその設計図
不在の記号の屹立
「近代」あるいは未了の空位期
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