菅野昭正
( かんの・あきまさ )1930年、横浜生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒業。東京大学教授、白百合女子大学教授を経て、現在は世田谷文学館館長、日本芸術院会員。著書に『ステファヌ・マラルメ』(読売文学賞)、『変容する文学の中で 文芸時評』(全3巻)など。訳書に、クンデラ『不滅』、ル・クレジオ『アフリカのひと』など、多数。
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戦後文学史に不滅の輝きを放つ小説群―卓抜な読解に浮び上がる、豊饒な作家の“全体像”。『俘虜記』により作家として出発、ベストセラーとなった『武蔵野夫人』『野火』『花影』、完璧主義による壮大なレクイエム『レイテ戦記』。さらに『事件』、『堺港攘夷始末』まで―歴史の激流の中で誠実な歩みをつづけた小説家大岡昇平の“ながい旅”の軌跡を、透徹した作品分析によって描き出す。
小説家の生誕
俘虜の家の記録
情熱恋愛の心理とその彼方
深淵をさまよう敗兵
政治の地平に近づいて(崩壊の叙事詩
ハムレット変奏)
女たちをいとおしむ哀歌
レイテ島の闘い、および闘いを超えて
歴史が小説になるとき(先駆ける者の悲劇
空しい犠牲を悼んで)
愛と裁判について
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