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単行本

『おくのほそ道』新考

——自筆本からわかる芭蕉の真意

日本思想研究者による芭蕉研究の集大成

一九九六年発見の『おくのほそ道』芭蕉自筆本と、従来の底本を比較し、芭蕉の句の軽みへの転換とその真意を解明する。日本思想史研究者による芭蕉研究の集大成。

定価

3,520

(10%税込)
ISBN

978-4-480-82384-7

Cコード

0092

整理番号

2026/01/13

判型

四六判

ページ数

400

解説

内容紹介

日本思想研究者による芭蕉研究の集大成

1996年に発見された芭蕉自筆の『おくのほそ道』から、
作品に籠めた芭蕉の真意、そして「軽み」の展開を解明する。

目次

はじめに

第一章 芭蕉自筆『おくのほそ道』発見の衝撃
1 芭蕉自筆本、二百五十年ぶりの発見
2 芭蕉自筆本の執筆時期──元禄六年の盆
3 『おくのほそ道』完成までの過程──芭蕉自筆本・曾良本・素龍清書本
4 生前弟子に見せなかった理由と臨終に去来に譲る遺言
5 『おくのほそ道』の出版──元禄版から明和版・寛政版へ
6 芭蕉自筆本に基づく『おくのほそ道』のテキスト

第二章 芭蕉の俳諧の展開──出発点から奥羽行脚まで
1 伊賀時代──貞門俳諧からの出発と北村季吟との関係
2 江戸へ移住──談林調の流行を追求
3 深川隠栖──「不易」の文藝を目指して・漢詩調の俳諧
4 『野ざらし紀行』の旅と『冬の日』──蕉風形成、紀行文の成立
5 『笈の小文』の旅と『更科紀行』

第三章 奥羽行脚──元禄二年の旅で見出したもの
1 奥羽行脚の企画──「菰かぶるべき思い」
2 奥羽行脚の実際──『おくのほそ道』に書かれていないこと
3 奥羽行脚の中での悟り──「天地流行の俳諧」 90
4 「軽み」の萌芽──俳諧指導の実際「翁直しの一巻」
5 旅中における芭蕉の変容

第四章 「不易流行」──『猿蓑』から『おくのほそ道』執筆までの過程
1 「不易流行」が言い出された背景
2 「軽み」の俳諧──「木のもとに」歌仙から『ひさご』へ
3 「幻住庵記」──「不易」の文藝への執念
4 「市中は」歌仙──新発見の芭蕉の修正稿から『猿蓑』へ
5 人生回顧と風雅論──「造化にしたがひ、造化にかへれ」
6 『猿蓑』の編集──「俳諧の古今集」を目指して
7 「几右日記」と『嵯峨日記』に見られる歌仙の構成
8 『笈の小文』──紀行文の書き方とその構成
9 江戸の俳諧事情と元禄六年盆の『おくのほそ道』の執筆

第五章 『おくのほそ道』の構成──序と五部構成の内容
1 序章と最後との呼応──基底となる宇宙観・人生観
2 叙述内容から見た構成──国別による区分
3 叙述内容から見た構成──月別による区分
4 自筆本当初の句数から見た構成
5 五部構成から見る『おくのほそ道』

第六章 『おくのほそ道』の文学的世界
1 『おくのほそ道』の特別な構成の背景
2 虚名と文学的な創作(フィクション)
3 古典の表現の引用──『源氏物語』から西行まで
4 五部構成の妙──対照する事柄のダイナミックな関係
5 俳諧の紀行文の完成
6 『おくのほそ道』の章段──章題と全句の構成

第七章 『おくのほそ道』完成から芭蕉の終焉まで──「軽み」の展開と清書本に籠めた思い
1 『おくのほそ道』における「軽み」の展開──句の制作時期に着目して
2 元禄六年十月──「軽み」の俳諧の摸索
3 「万世に俳風の一道を建立する」という自覚──芭蕉の俳論
4 『おくのほそ道』完成──素龍清書本
5 「軽み」の唱導──『炭俵』の世界
6 元禄七年五月、最後

著作者プロフィール

魚住孝至

( うおずみ・たかし )

魚住 孝至(うおずみ・たかし):1953年兵庫県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。文学博士。国際武道大学教授、国際日本文化研究センター共同研究員などを経て、現在は放送大学特任教授。専門は倫理学、日本思想、実存思想、身体文化。著書に『芭蕉 最後の一句──生命の流れに還る』(筑摩選書)、『宮本武蔵──日本人の道』(ぺりかん社)、『定本五輪書』(新人物往来社)、『宮本武蔵──「兵法の道」を生きる』(岩波新書)、『道を極める──日本人の心の歴史』『文学・芸術・武道にみる日本文化』『日本文化と思想の展開──内と外と』『哲学・思想を今考える──歴史の中で〔改訂版〕』(以上、放送大学教育振興会)などがある。

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