多田道太郎
( ただ・みちたろう )1924‐2007年。京都生まれ。フランス文学者。現代風俗研究会会長、京都大学教授、明治学院大学教授などをつとめた。著書に『複製芸術論』(勁草書房)、『遊びと日本人』(筑摩書房)、訳書にロジェ・カイヨワ『遊びと人間』(講談社)などがある。
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ボードレールを読み会に集うた鬼ども、連衆の読みすじの手の内を見せあおう、歌仙を巻いたあとの気だるい微笑の雰囲気が運べただろうか…。読みすじがすなわち鬼のみやげである。
〈冥府〉から(ボードレールの冥府時代
『冥府』私解)
群集の発見(群集を映しだすカレイドスコープ
群集の解読)
「屑拾い」の栄光(屑拾いの登場
詩篇「屑拾いたちの酒」)
エロスの図柄(絵馬をあげる
ひばりの行方―「高翔」
詩と音楽のあいだ―「異郷の香り」)
落日―あるいはデカダンスの詩学(落日の偏愛
陶酔と恐れ
時間意識
デカダンス)
目の家族―ガラスと視覚(鏡
ガラスのユートピア
空間の分節
他者の発見)
詩の探偵(探偵小説の起源
迷宮のなかの老娑
欠如と喪失
詩人の悦楽)
美食から(散文と詩のあいだ
雲間の世界で料理は変容する
ラ・ファンファルロ―思い出を食べる人)
香りまで―キッチュとノスタルジー(雰囲気としての香り
異郷の香り―エキゾチスムとノスタルジー
破壊の香り―キッチュ)
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