辻邦生
( つじ・くにお )(1925~1999)東京生まれ、東京大学卒。1963年『廻廊にて』を刊行し近代文学賞、68年『安土往還記』で芸術選奨新人賞、72年『背教者ユリアヌス』で毎日芸術賞、95年『西行花伝』で谷崎潤一郎賞を受賞。歴史小説を中心に独自の文学世界を構築した。
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辻文学の認識の到達点を示す遺著。1994~95年発表の文章を全面的に改稿したまま著者の死によって未完に終わった注目のリルケ論。『マルテの手記』から『ドウィノの悲歌』に登高する詩人の厳しい探求を、作品の具体的分析を通じて明らかにして、著者自身の認識の高みに至る誠実な歩み。
1 変容すること
2 “固有の死”を失うこと
3 物語が崩壊するとき
4 セザンヌからの死
5 “愛する女”の肖像
6 夢のなかの部屋
7 天使のプロフィール
8 天使の現われる場所
9 委託を果す者
10 遠ざかる死者たち
11 見ることの果て
12 大戦のなかの孤独な島
13 “開かれた空間”の声
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