作田啓一
( さくた・けいいち )作田 啓一(さくた・けいいち):1922-2016年。京都大学文学部哲学科(社会学専攻)卒業。京都大学名誉教授。主著である本書のほかに、著書には『増補 ルソー』(筑摩叢書)、『ドストエフスキーの世界』(筑摩書房)、『個人主義の運命』(岩波新書)、『生成の社会学をめざして』(有斐閣)、『三次元の人間』(行路社)、『生の欲動』(みすず書房)などがある。
loading...
社会学の生命のかよっている具体的な内容を、簡潔な命題の形で示す新スタイルの事典。本書は50の命題と解説によって構成されている。解説は、命題の由来、発展、パースペクティヴなどのポイントをしっかりとおさえて説明されており、読者は、その命題について豊かで、具体的なイメージをもって理解できると同時に、常識がどこかで逆転されるような意外性、非自明性を面白く味わうことができて、社会学にとどまらず、人間学的・文明論的な興味をも持ちうる。巻末には辞典としても利用できうる詳細な索引を付した。
1 自我の社会性(G・H・ミード)
2 人間の攻撃性(K・ローレンツ)
3 抑圧と文化の理論(S・フロイト)
4 文化としての性差(M・ミード)
5 動機の語彙(C・W・ミルズ)
6 相関主義(K・マンハイム)
7 自己呈示のドラマツルギー(E・ゴフマン)
8 多元的現実の構成(A・シュッツ,P・L・バーガー)
9 ダブル・バインド(G・ベイトソン)
10 認知的不協和の理論(L・フェスティンガー)
11 ラベリングと逸脱(H・ベッカーほか)
12 預言の自己成就(R・K・マートン)
13 欲望の模倣とモデル=ライバル論(R・ジラール)
14 ルサンチマンと道徳(F・W・ニーチェ)
15 志向のくいちがいと羞恥(M・シェーラー)
16 道徳意識の発達―義務と善(J・ピアジェ)
17 結合定量の法則(高田保馬)
18 外集団への敵対と内集団の親和(G・ジンメル)
19 インフォーマル組織の発見(G・E・メイヨー)
20 準拠集団と相対的不満(R・K・マートン)
21 多集団の交錯と個性の発達(G・ジンメル)
22 寡頭制の鉄則(R・ミヘルス)
23 AGIL図式(T・パーソンズ)
24 部分の機能的自律性とシステム内緊張(A・W・グールドナー)
25 互酬の不均衡と権力の派生(P・M・ブラウ)
26 世界の複雑性と自己準拠システム(N・ルーマン)
27 贈与論(M・モース)
28 女性の交換と近親婚の禁止(C・レヴィ=ストロース)
29 狂気の閉じ込めと監視(M・フーコー)
30 犯罪の潜在的機能(E・デュルケム)
31 閉じた社会と開いた社会(H・ベルクソン)
32 「神の道具」と教養人(M・ウェーバー)
33 聖―俗―遊(R・カイヨワ)
34 〈いき〉の構造(九鬼周造)
35 天皇制国家の支配原理(藤田省三)
36 生産力と生産関係の矛盾(K・H・マルクス)
37 正機能連関における均衡点(吉田民人)
38 集合行動の理論(N・J・スメルサー)
39 文化遅帯(W・F・オグバーン)
40 エリートの周流(V・パレート)
41 権力による暴力独占と文明化(N・エリアス)
42 抽象的公民の誕生(K・H・マルクス)
43 プロテスタンティズムの倫理と資本主義(M・ウェーバー)
44 人格崇拝の成立(E・デュルケム)
45 自由と平等との非両立性(A・ド・トクヴィル)
46 自由からの逃走(E・フロム)
47 高度産業社会と他人指向型(D・リースマン)
48 擬似環境と民主主義との矛盾(W・リップマン)
49 誇示的消費(T・B・ヴェブレン)
50 アイデンティティとモラトリアム(E・H・エリクソン)
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。