松浦寿輝
( まつうら・ひさき )1954年、東京生まれ。1980年、東京大学大学院仏語仏文学専攻修士課程修了。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授(表象文化論)。詩人、作家、映画評論家でもある。2000年、『花腐し』(講談社)で第123回芥川賞受賞。著書に『表象と倒錯』『エッフェル塔試論』『ゴダール』『Y・死・閾』『映画1+1』(筑摩書房)、『半島』(文藝春秋)、『物質と記憶』(思潮社)、『官能の哲学』(岩波書店)、『冬の本』(青土社)など。
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映画は1を欠いている。複数の〈わたし〉に決定的な刻印をしるす、このマイナス1をめぐって旋回する魅惑のエクリチュール。気鋭の詩人が、繊細かつ大胆な情熱をこめて繰り広げる待望の映画論集成。
1 映画空間へ(液体論―映画的交合とその異化
みずからの独身者たちによって裸にされた映画、さえも
映画と色彩)
2 幻想的肉体(接吻論―官能的距離の背理
ゆらめく上半身―イングリッド・バーグマン論
少年、あるいは無表情のゼロ記号
映画、死者を欠いた葬礼)
3作家論=主題論(燃えあがる文字、書かれた炎―『アデルの恋の物語』のために
ヒッチコックの「劇場」―緊張と撹乱
タルコフスキー空間―多孔質の境界)
4 模像と運動(ドゥルーズ〈と〉映画
囮と人形―相似の映画論)
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