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筑摩選書

美学講義

——バウムガルテンからグリーンバーグへ

「美学とは何か?」この主体的な問いからしか美学は形成されない

ドイツ哲学に派生する近代美学の誕生、明治の日本におけるその受容、現代美術批評の言説と美学の関係など、「美学とは何か」に応える言語的な美学構築の試み。

定価

2,090

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01821-2

Cコード

0370

整理番号

0303

2025/05/15

判型

四六判

ページ数

352

解説

内容紹介

バロックとの微妙な関係性のうちに展開する美学的言説をめぐる思考の軌跡

夏目漱石、森?外、高山樗牛、岡倉天心、萩原朔太郎らが、ハルトマン、カント、ヘーゲル、クローチェなどの「美学」といかに対峙したかを詳述する「美学の近代」。ヴァレリーによる「制作学」を考察し作品概念の地平を拓く「美学批判をめぐって」。20世紀アメリカを代表する美術批評家グリーンバーグの「批評」に対する数々の「批判」を採り上げ、現代芸術と連動する実践的批評と美学との関係を問う「批評と美学」。「美学すること」を追求する著者畢生の美学講義。

目次

はじめに
第一章 美学の近代
1 夏目漱石の「美学者」
2 森?外の「審美学」
3 高山樗牛による批判
4 正岡子規の疑問
5 ヴェロンと坪内逍遥
6 バウムガルテンの「美学」
7 ヴィーコの「美学」覚書
8 カントにおける「趣味判断」と「芸術」
9 美学は反バロックか
10 ヘーゲルと岡倉天心
11 クローチェの直観=表現説
12 萩原朔太郎と美学

第二章 美学批判をめぐって 「制作学」の問題、および「作品」のトポロジー
1 ヴァレリーによる美学批判とその解体
2 制作学の理念とその背景
3 制作と価値
4 「作品」のトポロジー

第三章 批評と美学
1 グリーンバーグvs レッシング
2 「モダニズム」とはなにか
3 モダニズムは「イズム」である
4 「アート」の跳梁と芸術終焉論
5 ヴェルフリンとグリーンバーグ
6 「絵画的」から「線的」への移行
7 「視覚的無意識」と「アンフォルム」
8 ミニマル・アートとフリードの「演劇性」
9 「分析的命題」としての芸術
10 「デュシャン以後の/によるカント」
11 「アートワールド」とはなにか
12 グリーンバーグの「美学」

おわりに
文献一覧

あとがき

人名索引

著作者プロフィール

谷川渥

( たにがわ・あつし )

谷川 渥(たにがわ・あつし):美学者、批評家、文学博士。東京大学大学院美学芸術学専攻博士課程修了。國學院大學文学部教授、杭州師範大学客座教授、京都精華大学客員教授などを歴任。日本近代芸術史の諸問題を踏まえながら、マニエリスム・バロックからモダニズム・現代美術にいたる広範な領域を視野に収め、多様な〈美的表象〉を渉猟し、美学と批評を架橋する。著書に『形象と時間』『美学の逆説』『シュルレアリスムのアメリカ』『鏡と皮膚』『図説だまし絵』『肉体の迷宮』『幻想の花園』『ローマの眠り』など多数。

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