なだいなだ
( なだ・いなだ )1929-2013年。東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。精神科医、作家。フランス留学後、東京武蔵野病院などを経て、国立療養所久里浜病院のアルコール依存治療専門病棟に勤務。1965年、『パパのおくりもの』で作家デビュー。著書に『TN君の伝記』『くるいきちがい考』『心の底をのぞいたら』『こころの底に見えたもの』『ふり返る勇気』などがある。
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江戸時代、長崎の町に、孫二郎と名乗る奇妙な若者が現われた。「俺は人の住める豊かな無人島に、上も下もない自由な国を造る」という夢を胸に、こともあろうに長崎代官の片腕、島谷市左衛門の下に弟子入り。キリシタン禁令、大型船建造の取締りなど、厳しいしめつけの中で、彼の夢は八丈島の南二百里の無人島へ、果てはインド洋マダガスカル島へと広がる。時代に逆らい、ユートピア建設を夢みた若き海の男の冒険ロマン。
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