嵐山光三郎
( あらしやま・こうざぶろう )嵐山 光三郎(あらしやま・こうざぶろう):1942年、静岡県生まれ。『素人庖丁記』により講談社エッセイ賞受賞。『芭蕉の誘惑』によりJTB紀行文学大賞受賞。長年の薀蓄の末に到達した芭蕉像を描いた『悪党芭蕉』で、泉鏡花文学賞、読売文学賞をダブル受賞。他に『文人悪食』『追悼の達人』『「下り坂」繁盛記』『不良定年』『ごはん通』『「世間」心得帖』『年をとったら驚いた!』『枯れてたまるか !』『超訳 芭蕉百句』など著書多数。
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うまい料理にはワケがある。そこには物語があり、人情話がある。東京文物大学助教授にして並外れた美食家・神崎圭一氏が「う、うまい!」と思わずうなったメニューの数々。不法侵入者のカレー、まぼろしの鯛茶漬け、別れた妻の湯豆腐、蜃気楼とはまぐり汁、源さんのラーメン、妹ノリ子の茄子の一夜漬け…ジワリ唾液あふれ、じんと胸にせまる、20の連作料理譚。
食魔紳士のカレー
鯛茶漬けはこう食え
涙の茶漬け
湯豆腐がしみる夜
はまぐり汁
すき焼の夕暮れ
筍御飯
意地っぱりの寿司の味
泣き虫茄子
塩むすび
天ぷらが喉をくすぐる
キノコ王、森の宴会
全国庖丁人大会
蟹の散歩道
焼酎ホルモン
ラーメン屋の源さん
蕎麦仲間
鰻飯はいろっぽい
恋のたこ焼き屋
水羊羹のデザート
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