2005年3月26日刊行の『マルクス・コレクション 3』の「『資本論 第一巻』初版 第一章」に誤り(未訳出箇所(二段落分))がありました。下記の通り訂正し、関係各位にお詫び申し上げます。
正しくは、271ページ6行目のあとに、以下の文章が入ります。
使用対象あるいは財貨としては、商品はさまざまな身体をそなえた多種多様な物である。しかし、商品が価値であるということは、それとは逆に、商品の一体性をつくりだす。この一体性は自然に由来するのではなく、社会に由来する。そこでは、ある共通の社会的実体が、多種多様な使用価値の中で多種多様な現れかたをしているにすぎない。その共通の社会的実体とはすなわち労働である。
価値としては、商品は結晶化した労働以外の何物でもない。労働自体の測定単位となるのは単純な平均労働である。たしかに国や、文明段階が違えば、単純な平均労働の性格も変化するだろう。しかし、現にあるひとつの社会をとれば、それは所与のものとみなしうる。複雑な労働は単純な労働を単に重ね合わせた、あるいはたがいに掛け合わせたものとして扱いうる。したがって比較的少ない量の複雑労働、イコール、比較的多い量の単純労働となる。こうした換算がどのような規則にしたがって行われているかは、ここでは問題にしない。ただ換算がたえず行われているという事実は、経験が教えている。このように一つの商品は単純労働の生産物と等置しうるのであり、それゆえ商品自身は単純労働の一定量を表しているにすぎない。