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ちくま文庫

短篇礼讃 

——忘れかけた名品

定価

902

(10%税込)
ISBN

978-4-480-42238-5

Cコード

0193

整理番号

-35-3

2006/07/10

判型

文庫判

ページ数

320

解説

内容紹介

名品発掘!「全集」には収められているけれど、なかなか読み返す機会のない小品。類まれなる才能を十分に開花させることなく早世した作家たちの心癒される短篇。野呂邦暢「水晶」、久生十蘭「春雪」、大坪砂男「外套」、久坂葉子「猫」など、とくに味わい深い12篇を集めたとっておきの文庫オリジナル・アンソロジー。

目次

犬の生活(小山清)
繰舟で往く家(牧野信一)
川(岡本かの子)
可哀相な姉(渡辺温)
春雪(久生十蘭)
外套(大坪砂男)
他人の夏(山川方夫)
水晶(野呂邦暢)
猫(阿部昭)
猫(久坂葉子)
皮癬〓(だに)の唄(永山一郎)
離魂(田中英光)

著作者プロフィール

大川渉

( おおかわ・わたる )

1959年生まれ。大阪で育つ。文筆家。早稲田大学卒業。酒場巡りや町歩きに関するエッセイや書評などを新聞・雑誌に執筆。無頼派の作家、作品に詳しい。著書に『下町酒場巡礼』『文士風狂録─青山光二が語る昭和の作家たち』『東京オブジェ』など。編集と解説を担当したアンソロジーに『聴雨・螢 織田作之助短篇集』『短篇礼讃 忘れかけた名品』がある。

この本への感想

 ここに収められた短篇たち、このまま広く世間に知られること無く、ただ埋もれていってしまうのは本当にもったいない、と思いました。

 小山清の『犬の生活』は、愛犬家必読!と言いたくなる。愛犬家ならずとも、この話を読めば皆、顔がほころぶだろうし・・・、渡辺温の『可哀相な姉』は、久世光彦が書いた乱歩が主人公の小説を読んでいたら、この短篇のことが出てきたので、ちょうど気になっていたところだったし・・・、永山一郎の『皮癬蜱の唄』は、内容がどうのこうのの前に、まずこのページの上でギチギチとひしめくような言葉のうねりに圧倒され、ちょっと重苦しいけれど、そこがまた魅力的であったし・・・、その他にも印象深い短篇ばかり、また、この本で初めて知った作家も多く、満足感いっぱいの一冊でした。

羊我堂

さん
update: 2011/04/09

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