川本三郎
( かわもと・さぶろう )川本 三郎(かわもと・さぶろう):1944年、東京生まれ。新聞社勤務を経て、評論・翻訳活動に入る。訳書にカポーティ『夜の樹』『叶えられた祈り』、近著に『映画の木洩れ日』『ひとり遊びぞ我はまされる』など。
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「町歩き」は、日常の生活圏をぷらぷら歩く散歩とは異なり、ちょっとした旅気分が味わえるもの。気の向くままに横丁や路地に入り込み、河原や土手を風に吹かれて歩いたあとで、見知らぬ居酒屋へもぐりこみ、その町の人の話に耳を傾けながらの一杯はまた格別だ。青梅、金町、調布、大森…小さな町を歩く楽しみを綴ったエッセイ集。
映画が輝いていた頃の遠い日の記憶が甦る町「青梅」
「池上」「千鳥」「蒲田」慎ましく懐かしい、水郷の町の面影
新旧の顔が混ざり合う練馬区の素朴な町
歩くほどに意外な顔が見える「八王子」の町
線路のない町「武蔵村山」と多摩湖を抱く「東大和」
新緑に萌える玉川上水が流れる町「羽村」「福生」
東武東上線沿線、川と工場と田園の町、板橋区
清朗な暮らしが町の隙間に息づく「赤羽」「王子」
子供時代の思い出と歩く「阿佐谷」「荻窪」
越中島貨物線がつなぐ川辺の町「砂町」「亀戸」「新小岩」
酎ハイを傾け下町の郷愁にひたる町「柴又」「亀有」「金町」
東京郊外の懐の深さに心打たれる町「調布」
失われた東京の幻影が浮かび上がる「町屋」
川と運河と町工場がある「大井町」「大森」「羽田」
東武線、京成線が寄りそう町「押上」「業平橋」「曳舟」
多摩川と秋川に挟まれた郊外の町「あきる野」
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