種村季弘
( たねむら・すえひろ )種村 季弘(たねむら・すえひろ):1933-2004年。東京都生まれ。東京大学文学部卒業。ドイツ文学者。該博な知識人として文学、美術、映画から魔術、神秘学にいたるまで多彩なジャンルにわたり執筆活動を展開した。著書に『ビンゲンのヒルデガルドの世界』(芸術選奨文部大臣賞、齋藤緑雨賞受賞)、『書国探検記』、『魔術的リアリズム』など、翻訳書に『パニッツァ全集』(全3巻)などがある。
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「また出てきたんだよ、じいさんが」…このひとはふだんは老人養護施設におとなしく入居しているが、発作的にベッドを脱走して横浜の場外馬券売り場で有金をはたく。勝てば野毛の飲食街でえんえんと飲み続ける。すっからかんになったところで箱根のK・Hさん宅に転げ込む。(「徘徊老人の夏」より)ありふれた日常から別世界へと誘う、諧謔と機知にあふれたエッセイの数々。
徘徊老人の夏(浮世風呂世間話
徘徊老人の夏
コイン空間ベイビーズ
私の貧乏物語 ほか)
途中下車旅行(別府ラーメン
野次馬道中記
地酒
風倉匠 ほか)
徘徊老人その後
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