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ちくま文庫

鏡花百物語集 文豪怪談傑作選・特別篇

恐怖に魅せられた文人たち。

大正年間、泉鏡花肝煎りで名だたる文人が集まって行われた怪談会。都新聞で人々の耳目を集めた怪談会の記録とそこから生まれた作品を1冊に。

定価

968

(10%税込)
ISBN

978-4-480-42618-5

Cコード

0193

整理番号

-36-11

2009/07/08

判型

文庫判

ページ数

384

解説

内容紹介

大正年間、名だたる文人墨客名優たちを集めて幾度も催された百物語怪談会。座の中心には「お化けの隊長」泉鏡花がおり、喜多村緑郎、平山蘆江がいた。ときに柳田國男や芥川龍之介らも加わる座談の模様は、盛夏の風物詩として新聞雑誌で詳報された。史上初復刻となる記事多数と、そこから生まれた小説・随筆作品を併せ収め、怪談黄金時代の活況を文士の肉声でふりかえる怪奇座談アンソロジー。

目次

怪談精霊祭
恋物語(抄)
浮舟(泉鏡花)
怪談の会と人
向島の怪談祭
友人一家の死(松崎天民)
怪談会点景
怪談聞書
露萩(泉鏡花)
怪談(平山蘆江)
怪談会
幽霊と怪談の座談会

著作者プロフィール

泉鏡花

( いずみ・きょうか )

1873-1939。本名鏡太郎。別名畠芋之助。金沢の生まれ。父は名人気質の彫金師。9歳のとき母を失う。明治24年、尾崎紅葉の門に入り「夜行巡査」「外科室」で認められる。ついで「照葉狂言」「草迷宮」「歌行燈」「婦系図」など。大正から昭和にかけて自然主義やプロレタリア文学がおこるなかに文壇とは遠いところで、幻想と怪異をもち、独特の文体美に支えられた偏奇性の強い文学を書きつづけた。

芥川龍之介

( あくたがわ・りゅうのすけ)

1892-1927年。東京の下町生まれ。幼いころより和漢の書に親しみ、怪異を好んだ。一高、東京帝大英文科にすすむ。在学中に書いた「鼻」が夏目漱石の激賞を受ける。しばらく教員生活をしたのちに創作に専念、第一創作集『羅生門』によって文壇の地位を確立。以後、王朝物、キリシタン物、開化物など、たえず新機軸につとめ、知的で清新な作風をつくりあげた。睡眠薬により自殺。

柳田國男

( やなぎた・くにお)

柳田 國男:(1875―1962)兵庫県に生まれる。幼少年期より文学的才能に恵まれ、短歌、抒情詩を発表。東京帝国大学を卒業後、農商務省、貴族院勤務を経て、朝日新聞社に入社。勤務の傍ら全国各地を旅行し、民俗学への関心を深める。1909年、日本初の民俗誌『後狩詞記』を発表、以後『遠野物語』から晩年の『海上の道』に至るまで多大な業績を遺す。

東雅夫

( ひがし・まさお)

1958年、神奈川県生まれ。アンソロジスト、文芸評論家。「幻想文学」「幽」編集長を歴任。ちくま文庫「文豪怪談傑作選」シリーズはじめ編纂・監修書多数。著書に『遠野物語と怪談の時代』(日本推理作家協会賞受賞)『百物語の怪談史』『文豪たちの怪談ライブ』、編纂書に「ゴシック文学入門」「ゴシック文学神髄」「文豪ノ怪談ジュニア・セレクション」「平成怪奇小説傑作集」「赤江瀑アラベスク」の各シリーズ、監修書に「怪談えほん」シリーズなどがある。

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