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ちくま文庫

荷風さんの昭和

戦争へ向かう歴史の大情況と 下町を徘徊する文豪の日常が 交差する

破滅へと向かう昭和前期。永井荷風は驚くべき適確さで世間の不穏な風を読み取っていた。時勢の中に文豪の日常を描出した傑作【解説: 吉野俊彦 】

定価

990

(10%税込)
ISBN

978-4-480-42941-4

Cコード

0195

整理番号

-24-14

2012/05/09

判型

文庫判

ページ数

368

解説

内容紹介

戦争へ、破滅へと向かう昭和前期の20年間。世間を見つめる永井荷風の視線はあくまでも低く、驚くべき適確さで世界の不穏の風を読み取る。『断腸亭日乗』を中心に、昭和という時代風景の中に文豪の日常を描き出した傑作。

目次

一筋縄ではいかぬ人
この憐れむべき狂愚の世―昭和三年~七年
女は慎むべし慎むべし
「非常時」の声のみ高く―昭和八年~十年
ああ、なつかしの〓(ぼく)東の町
大日本帝国となった年―昭和十一年
浅草―群衆のなかの哀愁
軍歌と万歳と旗の波と―昭和十二年~十四年
文学的な話題のなかから
「八紘一宇」の名のもとに―昭和十五年~十六年
月すみだ川の秋暮れて
“すべて狂気”のなかの正気―昭和十六年~二十年
どこまでもつづく「正午浅草」

著作者プロフィール

半藤一利

( はんどう・かずとし )

半藤 一利(はんどう・かずとし):1930年生まれ。作家。東京大学文学部卒業後、文藝春秋社入社。「文藝春秋」「週刊文春」の編集長を経て専務取締役。同社を退社後、昭和史を中心とした歴史関係、夏目漱石関連の著書を多数出版。主な著書に『昭和史』(平凡社 毎日出版文化賞特別賞受賞)、『漱石先生ぞな、もし』(文春文庫 新田次郎文学賞受賞)、『聖断』(PHP文庫)、『決定版 日本のいちばん長い日』(文春文庫)、『幕末史』(新潮文庫)、『それからの海舟』(ちくま文庫)等がある。2015年、菊池寛賞受賞。2021年没。

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