森茉莉
( もり・まり )1903─87年、東京生まれ。森?外の長女。1957年、父を憧憬する娘の感情を繊細な文体で描いた随筆集『父の帽子』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞、50歳を過ぎて作家としてスタートした。著書に『恋人たちの森』(田村俊子賞)、『甘い蜜の部屋』(泉鏡花賞)、『贅沢貧乏』、『私の美の世界』、『森茉莉全集』全8巻など。
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両国の角力見物に欠かせない青々とした固めの枝豆、美味しいものでごはんを食べないと小説がうまく行かない、パッパがポケットに入れて持ち帰った天皇陛下のお菓子、愛すべき下北沢商店街の料理店「スコット」…森鴎外の娘にして無類の食いしん坊、森茉莉が描く美味の世界は懐かしくて愛おしい。単行本未収録作品16編を含む珠玉の53作を編んだ絶味アンソロジー。
第1章 食いしん坊(明治風西洋料理とキャベツ巻き
胡瓜もみその他に関する私の意見 ほか)
第2章 料理自慢(料理控え
日日の中の愉しさ ほか)
第3章 思い出の味(木苺とぐみ
ライム ほか)
第4章 日常茶飯(Le pain de m´enage
或日の夕食―背番号90の感度 ほか)
第5章 紅茶と薔薇の日々(父の居た場所―思い出の中の散歩道
やさしさを教えてくれた白菫の押し花 ほか)
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