松岡和子
( まつおか・かずこ )1942年生まれ。翻訳家・演劇評論家。シェイクスピア全37作品を翻訳。個人訳としては史上3人目。この業績により、2021年、日本翻訳文化賞、菊池寛賞、毎日出版文化賞 朝日賞 小田島雄志・翻訳戯曲 賞を受賞。
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2021年、シェイクスピア全集、個人全訳を完結した著者は、翻訳を開始する直前、年間100本以上のシェイクスピア劇を観続けていた。代表的14作品を、演じられた舞台に即して「男と女の力学」「闇の中の輝き」「この世は仮装パーティ」等のテーマに分類し、掘り下げていく。シェイクスピア劇が10倍楽しくなるエッセイ。文庫化にあたり、全集最終巻「終わりよければすべてよし」についての書下ろしと全作品翻訳開始後のインタビューを加えた。シェイクスピア劇を10倍深く楽しむために2021年、全作品の翻訳を完結した著者が、年間100本以上観続けたシェイクスピア劇の尽きせぬ魅力をつづる。
第1幕 男と女の力学(『ロミオとジュリエット』―別れがこんなに甘く切ないなら
『夏の夜の夢』―何もかもが二重に見える ほか)
第2幕 闇こそ輝く(『リチャード三世』―歩きながら俺の影法師を眺めていられるよう
『ヴェニスの商人』―ああ、俺のキリスト教徒の金 ほか)
第3幕 この世は仮装パーティ(『間違いの喜劇』―この世界にとって俺はひとしずくの水
『お気に召すまま』―ひと目惚れでなければ恋にあらず ほか)
第4幕 時間がみた夢(『リア王』―忍耐だ。我々は泣きながらここへやってきた
『冬物語』―並居る皆様を驚かせて差し上げて ほか)
第5幕 視線の政治学(『ハムレット』―見られずに見て…
『終わりよければすべてよし』―失ったものを褒め称えれば、思い出は貴重になる)
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