小泉武夫
( こいずみ・たけお )小泉 武夫(こいずみ・たけお):1943年福島県の酒造家に生まれる。東京農業大学名誉教授。農学博士。専門は食文化論、発酵学、醸造学。現在、鹿児島大学、福島大学、別府大学、石川県立大学、島根県立大学ほかの客員教授、発酵食品ソムリエ講座・発酵の学校校長、特定非営利活動法人発酵文化推進機構理事長などを務める。『世界一くさい食べもの』(ちくまQブックス)など、単著だけで140冊を超える著書がある。
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熊鍋、兎飯、筍鉄砲焼き、ヨシノボリたたき
冬泥鰌筏焼き、錆鮎赤煮、沢蟹ドレッシング……
里山をまるごといただく
90皿のうま汁小説
飛?の古川に、全国から舌の肥えた客が詰めかける一軒の名料理茶屋がある。その名は「右官屋権之丞」。飛?の匠の末裔が、匠の心はそのままに、鑿を包丁に持ち替えて開いた店だ。扱う食材は、鳥獣、川魚、山菜など周囲にある自然の恵みや、塩鯨など歴史的に用いられてきた素朴な食材のみ。しかし、その素材を活かし切る技法が想像を絶する一皿を生む。
ちくま文庫オリジナル。
一 飛?の匠と「右官屋権之丞」
二 野兎と雉
三 錆鮎
四 茸と蝮
五 野飼いのシャモ鍋
六 水に沈むトマト
七 絶頂の熊鍋
八 魔性の猪
九 秘伝・野鳥料理の仕方
一〇 漬物お静
一一 濁酒先生
一二 誠也の祝儀
一三 春来たる
一四 からいはうまい
一五 客よ、いつまでも
一六 若女将の才覚
一七 土籠りの泥鰌
一八 厨房の四人
一九 雪囲いの魔法
二〇 清流からの恵み
二一 幽寂の菜飯
二二 鯨と家訓
二三 山蜜
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