重松 清
しげまつ・きよし
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、00年『ビタミンF』で直木三十五賞受賞。著書に、『定年ゴジラ』『流星ワゴン』『きよしこ』『トワイライト』『疾走』『卒業』『その日のまえに』『きみの友だち』『カシオペアの丘で』などがある。
嘘みたいな話だが、つい先日、筑摩書房に「『ちくま日本文学全集』はまだありますか?」と問い合わせたのである。四十代半ばになってホンモノの小説を読みたくなったのである。『全集』の在庫はなかったが、「もうすぐ新しい形でよみがえりますから」と言われた。うれしい。ドキドキする。再会する作家もいれば初めての作家もいる。若い頃には歯が立たなかった作家や作品でも、いまなら……と楽しみにしている。だって、芥川クンや太宰クンより、オレ、もう年上なんだし。