生田武志
( いくた・たけし )一九六四年生まれ。同志社大学在学中から釜ヶ崎に通い、現在までさまざまな日雇い労働運動・野宿者支援活動に携わる。「つぎ合わせの器は、ナイフで切られた果物となりえるか?」で群像新人文学賞・評論部門優秀賞(二〇〇〇年六月)を受賞。現在、野宿者ネットワーク、釜ヶ崎・反失業連絡会などに参加。主な著書に、『釜ヶ崎から』(ちくま文庫)、『貧困を考えよう』(岩波ジュニア新書)『〈野宿者襲撃〉論』(人文書院)がある。
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野宿者(=ホームレス)問題が深刻化している。失業した中高年、二十代の若者、夫の暴力に脅かされる母子。いま、帰る場所を失った多くの人びとが路上生活に追い込まれている。他方では、多くの若者がフリーターや派遣社員として働いている。その数およそ400万人。遠くない将来、彼らも「若者」ではなくなる。そのとき、社会はどうなるのか…。大阪・釜ヶ崎で野宿者支援活動に20年間携わってきた著者が、野宿者とフリーターの問題を同じ位相でとらえ、日本社会の最底辺で人びとが直面している現実を報告する。「究極の貧困」を問うルポルタージュ。
はじめに 北海道・九州・東京、その野宿の現場
第1章 不安定就労の極限―80~90年代の釜ヶ崎と野宿者
第2章 野宿者はどのように生活しているのか
第3章 野宿者襲撃と「ホームレスビジネス」
第4章 野宿者の社会的排除と行政の対応
第5章 女性と若者が野宿者になる日―変容する野宿者問題
第6章 野宿者問題の未来へ
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