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ちくま新書

骨が語る日本人の歴史

縄文人は来なかった 「弥生人顔」などない 骨考古学が明らかにする日本人の起源

縄文人は南方起源ではなく、じつは「弥生人顔」も存在しなかった。骨考古学の最新研究によって、歴史学の通説を科学的に検証。日本人の真実の姿を明らかにする。

定価

902

(10%税込)
ISBN

978-4-480-06831-6

Cコード

0245

整理番号

1126

2015/05/07

判型

新書判

ページ数

256

解説

内容紹介

発掘された古人骨を調べ、当時の人の様子を明らかにする「骨考古学」。その進展によって、日本列島の歴史は大きく書き換えられねばならないことがわかってきた。実は縄文人は南方からやってきたのではない。大陸から渡来した弥生人が縄文人を駆逐したというのも本当ではない。そもそも「弥生人顔」など存在しない―旧来の歴史学に根強く残る誤謬を科学的視点から検証。人々の生身の姿を復原し歴史をひもとく「身体史観」を提唱する。骨考古学の第一人者が、日本人の実像に迫る。

目次

1 日本人の実像を探る(旧石器時代人
縄文人
「弥生人」
古墳時代人
「中世人」・近世人・近現代人)
2 「身体史観」の挑戦(旧来の日本人論の誤りをただす
旧来の歴史観はどこが誤っているのか)

著作者プロフィール

片山一道

( かたやま・かずみち )

1945年広島県生まれ。先史人類学・骨考古学。京都大学名誉教授。京都大学農林生物学科卒業。同大大学院修士課程修了。京都大学霊長類研究所教授、京都大学大学院理学研究科教授などを歴任。理学博士。著書『古人骨は生きている』(角川選書、2002年)、『古人骨は語る』(角川ソフィア文庫、1999年)、『考える足』(日本経済新聞社、1999年)、『ポリネシア』(東京大学出版会、1997年)、『骨考古学と身体史観』(敬文舎、2013年)など。

この本への感想

 いやはや、あまりにも面白い本で、読み終えてしまうのが惜しかった。
 この本で、私たちの骨の言葉に耳を傾けて「やっと日本人になれた」という気がした。これは、少し笑いながらの確認でした。日本の最南端から最北端まで、あるいは東西の端から端まで、皆日本人で、それぞれに「骨の来た方角が違うかもしれない」と思ってみると、味がある。

 時々「純粋な日本人」などと奇妙な言い方をしたがる人がいるけれど、純粋な日本人は、大いに雑じっているのだとわかって深く深く納得。
 いい本です。この本を読めば、皆仲良くなれますよ。

頑固堂

さん
update: 2015/08/01
取り敢えず鏡を見て見たくなった。妻の顔は明らかに縄文顔。噛合がくちばし的に上下の先端がくっつくなど、フムフム、今もいるいる縄文人がと、まずは思いました。1939年生まれの私、明治時代からの富国強兵政策の挙句の果ての太平洋戦争で食糧難、親から譲り受けた体型、胴長短足がさらに強調され、これは粗食のために、あごは今の若者では数少ないえらはり顔です。人体の特徴が生活環境に大きく影響されているということは、戦後70年を検証すれば理解できます。孫たちはもう中学2年生、みるみる私の背を追い抜いていくことでしょう。これからどんな日本人ができてくるのか、興味津々です。

森村恒雄

さん
update: 2015/07/10
 面白いのなんの! 縄文人から弥生人に「ガラリ」と入れ替わったように言われ続けてきた俗説が、ちょいとちがいますぜ、と。
 その話に、ははぁやっぱりそうだったか、と納得がいくあたりから、この本は俄然面白くなる。もっとも素敵なのは、著者の「語り口」で、話の運びがうまい。ここまで読んで一休み、と思うけれど、もう少しだけ読んでおくか、となって、ああ終わりに来てしまった。となる。

 現代の日本人の骨の「日本人離れ」も実によくわかって、話が骨身にしみた。

頑固堂

さん
update: 2015/05/28

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