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ちくま学芸文庫

社会と自分

——漱石自選講演集

定価

1,045

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09597-8

Cコード

0195

整理番号

-24-1

2014/01/08

判型

文庫判

ページ数

384

解説

内容紹介

開化の波に翻弄された混迷の明治時代、日本人はどうすれば近代という荒波を乗り越えて、真の自由と自信を手にすることができるのか―。「現代日本の開化」「文芸と道徳」「創作家の態度」など、こうした問いに透徹した眼差しを注ぎ、熱く語りかけた六篇の講演を漱石自ら編んだ、幻の名著が文庫一冊で復活。自らを失い煩悶していたロンドン時代の赤裸々な体験をまじえつつ、「自己本位」に立ち返ることを説いた名講演「私の個人主義」を付録として収録。漱石研究の第一人者、石原千秋の解説により、新たに輝きはじめる文豪の不滅の言葉。

目次

道楽と職業
現代日本の開化
中味と形式
文芸と道徳
創作家の態度
文芸の哲学的基礎
付録 私の個人主義

著作者プロフィール

夏目漱石

( なつめ・そうせき )

1867-1916年。江戸・牛込馬場下横町(現・新宿区喜久井町)に生まれる。本名金之助。1893年、東京帝大英文科卒業。松山で愛媛県尋常中学校教師、熊本で第五高等学校教授を勤めたあと、1900年、文部省留学生としてイギリスに留学(1903年1月、帰国)。帰国後は東京帝大講師として英文学を講じながら、『ホトトギス』誌上に「吾輩は猫である」を発表。その後、朝日新聞に入社し、「虞美人草」「三四郎」などを連載、国民的大作家となる。主な作品に「坊っちゃん」「行人」「こころ」「それから」「門」などがある。

石原千秋

( いしはら・ちあき )

一九五五年東京都生まれ。成城大学大学院文学研究科博士課程後期中退。東横学園女子短期大学助教授、成城大学教授を経て、現在、早稲田大学教育・総合科学学術院教授。専攻は日本近代文学。夏目漱石から村上春樹までテクスト分析による斬新な読解を提供しつつ、国語教育への問題提起も果敢に行っている。著書に『漱石と三人の読者』(講談社現代新書)、『漱石はどう読まれてきたか』『秘伝中学入試国語読解法』(いずれも新潮選書)、『謎とき 村上春樹』(光文社新書)、『『こころ』大人になれなかった先生』(みすず書房)、『読者はどこにいるのか』(河出ブックス)、『小説入門のための高校入試国語』(NHKブックス)、『教養としての大学受験国語』『大学受験のための小説講義』『国語教科書の思想』『国語教科書の中の「日本」』『大学生の論文執筆法』(いずれもちくま新書)ほか。

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